永遠の苦役

1/1
前へ
/11ページ
次へ

永遠の苦役

捨て子から財閥の養子になりプロ野球選手になった1人の男が、病に侵され死に瀕していた。 震災で多くの友人を失った過去もある彼は、不幸なりに恵まれていた人生を省みる。というのも、彼の隣にはいつも義兄弟の友がいたからだ。 道端に捨てられ、感情を殺して生きるしかなかった彼は、被災地の星として生きるにつれ支え支えられる人間の幸福に気づく 。 病床で手のひらを見つめながら、「地震がきてやっと気づくのか」と独り言つ彼は、浮遊するような感覚を覚え、やがて肉体から離脱する。 そして思い出す。自分が捨て子ではなかったことに。 天界へと還るはずの魂は肉体に繋がったままで、外れることはない。彼は輪廻の輪から外れた存在で、長い時間をかけて贖罪をする身だった。彼の魂は洗浄(記憶の初期化)され再び幼い肉体とともに人生をやり直す……はずだった。 その彼の魂の前に、死神とマリアが現れる。 「あなたを輪廻に戻します」 マリアの一言で死神の鎌は振るわれ、贖罪の鎖は絶たれ、魂は自由になった。 ※夢を元に現在連載中の「マリアの日常」風にアレンジしました。第2章はこれにしますw
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加