左から三番目の壺

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『お前たち、今すぐアレをここへ!!』 『はいっ!!只今!!』 何か、白い包み紙を持ってきたようだ。 ん?姫様、何か悪い顔して笑ってる。 姫様…あんな顔より、もっと普通に笑えばすごく可愛いのに。 そんな事をふと思っていたら、グルン!と視界が回り、 次に見えたのが木造の狭い部屋だった。 今度は姫様じゃない女の人がいる。 この人、すごい美人!! 姫様は可愛い系だけど、この人は透き通るような美人だ。 あ、この人が姫様が嫉妬してた人なのかもしれない。 ん?様子が変。 あれ?倒れたよ!!誰かぁ~!!って言いたいとこだけど、 声出したら見つかっちゃう!どうしよう!! あっ!誰か来た! 『うわっ!どうしたんだ!大丈夫か!!』 『…!!だ、誰か…誰か…っ!!』 『!!おい!!大丈夫か!!』 『―――』 また視界がグルンと回って、先程の御簾の陰に戻ってきた。 『クックック…これでわらわが一番じゃ… あの顔では、もはや人の目には触れられぬ事よのぅ…』 姫様が毒を盛ったんだ!! あの女の人の顔を醜くするために!! ひどい!!ひどい!! 一番になりたいために、そんな事までするの?! どうして誰も止めようとしなかったの?!ひどい!ひどすぎる!! 『これであの女はわらわの敵ではないわ。 次は、もう一人、あちらの女も始末しておくかのぅ… 危険な芽は早めに摘んでしまわねば…のぅ…フフフ』 姫様、また違う人に毒を盛ろうとしてる!! 止めなきゃ!! そう思って立ち上がったその瞬間、 左腕を強く掴まれ、後ろに引っ張られた。
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