左から三番目の壺

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「あなたはどう思われますか? 姫様は幸せだったと思いますか?」 「幸せじゃ…なかったと思います… きっと、ずっと美しさに怯えて暮らしていたんじゃないかと…」 「あの姫様は、あなたなのです。」 「は?私?」 「はい。あなたの前世の姿です。 左から三番目の壺。それは、あなたの三世前の過去の業が入った壺なのです。 そして、ここに並んでいる、大小の黒い壺。 これらも、すべてあなたの過去世の業の壺です。 今回、あなたはこの壺をお選びになった。 壺に呼ばれたのでしょう? おそらく、最近のあなたは、この姫様と同じような悩みをお持ちだったはず。 心当たりはございますか?」 私は、一瞬考えて、そして、ハッとした。 最近、私は、人間関係で上手くいかない事を悩んでいた。 いつも、私だけ仲間外れにされているような気がしたり、 いつも、陰でコソコソ言われているような気がしたり、 どうして私だけ、みんなと普通に仲良く出来ないのか…って。 他の誰を見ても楽しそうで、 友人や仲間達と楽しそうにしている子たちを見ると、 いいな~、私もあんな風に楽しみたいなって。 私のどこがダメなんだろうって。 仲良くしていた友達も、 いつも最後には違う友達と、もっと仲良くなってしまう。 あの子がいなければ、ずっと私と仲良くいられたかもしれないのに… そう思っていた自分がいた事に気が付いた。 嫉妬だ。 姫様と同じ、嫉妬。 そして、それは相手がいなくなっても、 ずっと自分を追いかけてくる嫉妬の念なのだ。
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