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「その、怪我って……」
彼が何か言いかけているが、与は湿布が手にくっつかないように、慎重に患部に貼り付ける。
ーーよし、と。
無事にきれいに貼り付けることができて、与は満足しながらスカートのファスナーを上げた。
「昨日の、ですか?」
ーーえ?
ホックに手をかけた所で、与の思考が止まる。
「実は、僕、見ちゃったんです。というか、ずっと見てました。」
ーーどういうこと?
与は何も言えずに、固まったまま、彼の次の言葉を待つ。
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