三片

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「実は僕、あの時、先生に頼まれていた楽譜のコピーを準備室に運んでたところだったんですが、出るに出れなくなって。……助けられなくてすみません。」 あんな所見られてたのかと、情けない気持ちになって、軽いショックを受ける与。溜息と共にカチリとホックをはめた。 「あの人達って、耀先輩の取り巻きですよね?いつも一緒にいる。あんなことされるなんて……先輩は、、、耀先輩と付き合ってるんですか?」 与は、シャッと音を立ててカーテンを開く。 子犬の彼は潤んだ瞳はこちらに向けたまま、ビクリと肩を震わせた。 「そんな訳ないでしょ。」 自分でも驚く程低くて冷たい声が出る。 巻き込まれるのはもう御免だ。
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