116人が本棚に入れています
本棚に追加
「実は僕、あの時、先生に頼まれていた楽譜のコピーを準備室に運んでたところだったんですが、出るに出れなくなって。……助けられなくてすみません。」
あんな所見られてたのかと、情けない気持ちになって、軽いショックを受ける与。溜息と共にカチリとホックをはめた。
「あの人達って、耀先輩の取り巻きですよね?いつも一緒にいる。あんなことされるなんて……先輩は、、、耀先輩と付き合ってるんですか?」
与は、シャッと音を立ててカーテンを開く。
子犬の彼は潤んだ瞳はこちらに向けたまま、ビクリと肩を震わせた。
「そんな訳ないでしょ。」
自分でも驚く程低くて冷たい声が出る。
巻き込まれるのはもう御免だ。
最初のコメントを投稿しよう!