三片

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教室に向かうにつれて、当然のごとく与の足取りは重くなる。 でも耀には昨日はっきりと言った訳だし、意外と大丈夫かもしれない。 けれど、メンタルが強い訳ではない与は、どうしても教室の手前の階段から前に進めなくなった。 このままではだめだ、と頬を掌でパチパチと叩いて気合を入れてみる。 「何してんの?」 そこに気怠そうな声がして、与の動きが止まる。 「昨日、いなかったけど。」 足音がして、声の主が与の前まで来て、視線を捉えた。 「朝は、いたのに、なんで?」 「た、多々羅くん……」 彼が首を傾げたのと一緒に、青味がかった鴉のような髪も流れる。
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