第1章

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その奇妙な店は、戦場のど真ん中にあった。 店の扉の前には長蛇の列。 店の扉が開かれると、並んでいる者達が店の中に歩を進める。 300人程の者が店に入ると、扉が閉じられた。 俺はその長蛇の列の中にいる。 列に並んでいる者達の半分は、敵兵だった者達。 並んでいる者達に共通しているのは、全員戦死した死者である事。 再び扉が開かれる。 俺は歩を進め店の中に入った。 入って直ぐの所に階段があって、俺は階段を下る。 地階は学校の体育館位の広さの部屋。 一段高くなっている壇の上に、黒い服の人物が立っていて、俺達がその前に整列すると話しを始めた。 「あなた方は2つの道を選ぶ事ができます」 黒い服の人物は、壇の右側を右腕で指し示しながら話す。 「1つは。 此方の入り口を通り、三途の川を渡り、天国や地獄に行く道。 もう1つの道は」 続いて左側を左腕で指し示しながら、話しを続けた。 「新しい肉体を与えられ、別世界で兵士となる道。 どちらでもお好きな方へお進みください」 俺の斜め前にいた敵兵だった男が、手を上げ質問する。 「新しい肉体を与えられるって事は、生き返る事が出来るのか?」 「その通り。 但し、兵士として戦場に立って頂く事になります」 姿は見えないが、前の方へいる奴が別な質問を行う。 「兵士って事は、給料は貰えるのか?」 「当然です。 新しい肉体を与えたからと言って、無給で働かせるような事はしません。 他に質問がある方はいらしゃいますか? ………………………… いらしゃらないようですね。 では、御自身で選択して、どちらかの入り口をお選びください」
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