勿論、嘘。

4/13
前へ
/50ページ
次へ
ちなみにいつも俺がこんなテンションな訳じゃない。全てあの夢のせい。 あれを見る時といつだって無性にイラついた。そんだけ。 華麗に高く飛ぶヨウジ。右手で掴んだバスケットボールはリングへとダンクされる。 それはとても綺麗な光景だった。その光景を目の当たりにする時はいつだって時間が止まっているような不思議な感覚に襲われた。 中学生だったあの頃、ヨウジは日本バスケ界の超逸材として注目されていて、俺達にとって神的存在だった。 ヨウジのバスケはいつだって、俺の心に大地を吹き抜けていく風のように爽やかな気持ちを運んでくれた。 けど、今では思い出す度に不快な気持ちになる。 なぜ? きっと誰にもわかんないね それで、別にいい。
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加