side 本町雄輔

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俺はお礼をいい、家路についた。 外はすっかり暗く、道を街灯と家の明りが照らしていた。 知らない方がいいこともある。 けれど、俺は知ってしまった。 この世界は、綺麗に着飾っているだけだと。 死というものを、綺麗に装飾している。 本当の世界は、もっと残酷だ。 ルールは、その残酷さを隠し。 社会は、ルールを守り。 そうやって、残酷なところを隠して。 そうやって、死から遠くに世界を作って。 真実とは違う世界を作っていた。 だから、俺はこの世界から遠のかなければいけない。 真実に近付かなければいけない。 そうしなければ、また何かを失うことになるから。
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