side 宮本茜

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side 宮本茜

たったの3人。 それが結果だった。 たとえ、それが偽りだと思っても。 他には誰も帰ってこない。 ここには、3人しかいなかった。 だからだろうか? 私達はある答えを求めていた。 ・・私達はある家の前に立っていた。 「ここがそうなのね?」 暮崎さんに聞かれた。 私はその言葉に頷いた。 私はこの場所を知っていた。 ここは、誰かの居場所だったはずの場所。 「ここが・・朝比奈君の家だよ。」 ここにいるはずの人。 けれど、ここにいない人。 ただ1人、行方不明となったクラスメートの家。 ピンポーン。 インターホンの音が響いた。 確信があるわけではなかった。 ただ、彼に繋がる場所は、学校とここしかなかった。 少しして、家の扉が開いた。 中から出てきたのは、女性だった。 「・・どちら様でしょうか?」 女性は不思議そうな顔をして聞いてきた。 そういえば、私も彼の両親は見たことがなかった。 お互いに見ず知らずでどうしていいか困ってしまう。 「すいません、朝比奈宏隆君はいらっしゃいますか?」 本町君が助け船を出してくれた。 その言葉を聞いた女性は少し目を閉じて、そして 「宏隆の友達ね。  入って。」 そうして、私達はそのまま朝比奈君の家に上がることになった。
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