side 宮本茜

4/6
前へ
/79ページ
次へ
「あなたは、どこまで知っているのですか?」 暮崎さんが聞いた言葉、それはゲームに関してだろう。 確かに、さっきの言葉は引っかかる。 この人は知っているのだろうか? でなければ、生を勝ち取るという表現を使うはずがない。 私たちの件は、ただの事故のようなものとして扱われているのだから。 「どこまで知っているか・・ね。」 この言葉に対して、隆行さんは考え始めた。 何を考えているのか、それは分からない。 しかし、その答えは意外な方向から返ってきた。 「私達は何も知らないわ。  ただ、あなた達より知っているわ。」 この問いに答えたのは、お茶を入れてきた藍さんだった。 問いの答えは、意味が分からなかった。 何も知らないのに、知っている? 矛盾している。 わけが分からない。
/79ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加