今宵の月は・・・・

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「お前を手放せない。お前がいなくなったら・・・・生きていけない」 絞り出すように、かすれた声で紡ぎだした言葉に、こちらは返す言葉を持っていなかった。 肩を乱暴に抱きしめる・・・・今回の事件で一回り小さくなった肩が儚げに揺れる。 「いい答え。それを聞いたら、俺はアンタに一生奉げるよ」 今すぐ唇を奪ってしまいたい。そして彼を舐めるように愛したい。 その衝動を彼の体温で宥めるように、きつく抱いて深呼吸をした。 「たぶん、これからも自問自答するだろう。その時はこうやって抱きしめてくれ」 「うん、いつでもどこでも抱きしめるよ」 「バカ///それはよせ」 こんなふうにデレてみせる。本当にツンデレなところも大好きだ。 もちろん自分が若さで突っ走っているのかもしれない。 桂斗は年上で、しかも兄貴、上司という立場上、悩みも消えることがないだろう。 でも二人が想いあって必要としてればそれでいいじゃないか。
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