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「ちょっと!もう少シた後の余韻とか、甘々な感じ出せないの?」
「・・・・んなコトするかっ!///」
この人は異常なほど照れ屋だ。あと、プライドも高い。『男の沽券に係わる』とか古臭い考えだを持っていることもわかっている。だからって今、それを持ち出さなくてもいいじゃん・・・もう少しデレてくれたらいいのに。
「男が二人くっついてたら暑いっ!!」
「熱い夜を過ごしたんだから当然でしょ。もうシーツなんか桂斗の”LOVE液”でいっぱい濡れてたから、丁度俺たちの熱で乾いたんじゃない」
「っ・・・・・・・・・///」
真っ赤な顏で絶句して、その後枕が顔面にガツンと飛んできた。
「なっ・・・・なにが”LOVE液”だ。この変態!」
「じゃあ、ゲームにあやかって、”聖水”とかけて”精水”にする」
「あやかるんじゃねぇ!お前ってやつは・・・・・くだらねぇこと言いやがって!」
枕でぼっこぼこに殴られる。
「顔はやめて・・・・まだ撮影あるし」
「うるせぇ!クソガキ!」
全力に近い力で殴ってる・・・・・でも照れてるだけだ。本気で殴られたら、こっちもダメージを喰らう。
それがしばらく続いた後、枕の攻撃がパタリと止んだ。
「どうしたの?」
「・・・・・そう云えば・・・・////」
「なに?」
「最中に・・・あの・・・」
「ん?」
「精子の無駄遣いとかって言ってたろ」
「ああ、確かに」
「俺は、き、・・・・・気持ちイイから・・・・無駄じゃねぇ・・・・けど・・・・お前は・・・・」
「また、悪い方に考えてるでしょ」
そう云って額にちゅっと唇を落とす。
「俺だって気持ちイイから無駄じゃない。桂斗はね、ぶっ飛ぶくらい気持ちよくならないと出させたくないの。とことんまで待っててよ。それまではイクの禁止」
「・・・・・仕方ねぇだろ。早漏なんだから」
「早漏なんじゃない。きっと生産性が高いんだろうね。たくさん作ったから小出しにしたいんじゃない?」
「は?何言って////」
「しっ・・・」
理玖は兄の艶やかな唇に人差し指をたてて、話を中断した。
「俺はね、考えていることがあるんだ。それが気持ちよくって、つい口に出ちゃっただけ。だから深く考えない・・・・悪い癖だよ、ソレ」
この人は、まだ俺が堅気になって、女を愛して、『平凡』って道を選ぶことを望んでいるのか?平凡じゃない人生をくれて、感謝すらしてるってのに・・・・。
「俺は桂斗の嫁で幸せ」
「バカ言うんじゃねぇ、このくそガキ」
尚も素直じゃない人の唇をゆっくり塞いだ。
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