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誰かに見られている気がする。
朝倉結馬がそう思い始めたのは、数日前のことだった。
はじめは、どうせ気のせいだろうと、全く気にも留めていなかったが、二日経ち三日経ちと毎日のように同じことが起こると、さすがに気味が悪くなってくる。
この夜も何度か視線を感じ、辺りを見回してみたが誰もいない。まさか一人暮らしのこの部屋に、呼びもしないのに誰かが居るはずもないだろう。
気味は悪いが、今のところこれといって害もない。それに、四六時中見張られているという感じでもない。
いずれ、おさまるだろう。結馬はそう自分に言い聞かせ、思い直す事にした。
明日も仕事か、と結馬はぽつりと呟き、重い腰を上げ寝支度を始めた。
寝室に行き、ベッドに横たわる。
暫くもせず眠りについた。
外では雨がしとしとと降っている。梅雨の時期だ。
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