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彼の前で立ち止まると、渚が彼に話しかけた。
渚「羽山くん一人?」
羽山「はい。私が一番手の脅かし役だったのですが…
怖がってはいないようですね」
本物の火の球じゃ無いから、怖くはないよ。
それに羽山君が触手を操って作業してる事ぐらい、私にも判ったし…
あかり「でも一番手って事は、この先にもお化け役として出てる人が居るって事か」
そう言って私は進むべき道の先を見つめてみる。
真っ暗で先が見えないから、誰がどういう所に居るのか判らない。
…まあでも、渚が居てくれてるし、何か感じたら知らせてくれると思う。
羽山「最後が先輩とあかりだと知って、皆さん凄く張り切ってましたよ。
アナタ方も大変ですね、ゲスイ集団に囲まれて…」
ユラユラとまだ火の玉を揺らしてる羽山君が、ため息をしてそう言った。
渚「まあ、ね。
でもそこがいいんだよ、それでこそE組だから」
……笑ってるつもりだろうけど、外見は睨んでるように見える。
でも、蛇が笑ったら笑ったらでそれは怖いかも。
不気味に感じちゃう。
羽山「…ですね。
では私はゴールで待ってます、大丈夫だとは思いますが、一応…気を付けてくださいね」
火の玉を持ったまま羽山君は、奥へと姿を消した。
私はそれを確認して、再び走り出した。
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