動物の時間 おまけ10

41/55

136人が本棚に入れています
本棚に追加
/1231ページ
 彼の前で立ち止まると、渚が彼に話しかけた。 渚「羽山くん一人?」 羽山「はい。私が一番手の脅かし役だったのですが…  怖がってはいないようですね」  本物の火の球じゃ無いから、怖くはないよ。  それに羽山君が触手を操って作業してる事ぐらい、私にも判ったし… あかり「でも一番手って事は、この先にもお化け役として出てる人が居るって事か」  そう言って私は進むべき道の先を見つめてみる。  真っ暗で先が見えないから、誰がどういう所に居るのか判らない。  …まあでも、渚が居てくれてるし、何か感じたら知らせてくれると思う。 羽山「最後が先輩とあかりだと知って、皆さん凄く張り切ってましたよ。  アナタ方も大変ですね、ゲスイ集団に囲まれて…」  ユラユラとまだ火の玉を揺らしてる羽山君が、ため息をしてそう言った。 渚「まあ、ね。  でもそこがいいんだよ、それでこそE組だから」  ……笑ってるつもりだろうけど、外見は睨んでるように見える。  でも、蛇が笑ったら笑ったらでそれは怖いかも。  不気味に感じちゃう。 羽山「…ですね。  では私はゴールで待ってます、大丈夫だとは思いますが、一応…気を付けてくださいね」  火の玉を持ったまま羽山君は、奥へと姿を消した。  私はそれを確認して、再び走り出した。
/1231ページ

最初のコメントを投稿しよう!

136人が本棚に入れています
本棚に追加