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その奇妙なお店に出会ったのは、俺が仕事に悩んでいる時だった。
いい企画が思い浮かばずに悩む日々を送っていた。
同僚の伊勢に会社の帰りに花小路に飲みに行こうと誘われた。
「なあ、城崎疲れた顔しているぜ、そんな顔じゃいい考えも浮かばないんじゃないか。いっそ気晴らしに今日飲みに行こうぜ。いつもの所に」と伊勢はにやりと笑いながら言う。
城崎は苦笑いを浮かべながら「そうだな。いくか」と言うと伊勢と一緒に花小路へと繰り出すことにした。
伊勢はニヤニヤしながらいう。
「今日は俺の行きつけの店に行くか」
「ああそうだな。花小路は一見さんお断りの店が多いからな。まあ、だから安心して飲めるのだが」と城崎も笑顔になり話す。
二人は会社を出て阪急に乗り河原町で降りると駅の階段を上り、八坂の方へと歩き出す。
八坂の祇園に行くまでに花小路道がありその曲がり角に差し掛かると伊勢が「おいこっちこっちだと右に曲がり細い花小路道をずんずんと歩いていく。
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