第1章

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「スピカちゃんはどうして宇宙人男子とおつきあいしたいと思ったの?地球人男子だけでも三十六億人以上もいるというのに」 「私、一見健康そうに見えるんですけれど、病気を患っているんです。体の中には病原体から身を守ってくれる抗体というのがあるんですけど、その抗体がどういうわけか味方同士で殺し合っているんです。なぜそうなったのか医学的な原因はわかりません。でも宇宙人に詳しい人の話によると、宇宙人と接触したことがある人は、そうなることがあるそうです。でももう一度会って触れ合えば、治るかもしれないそうなんです。エルグさんは接触したことありませんか?今の私をそっくりそのまま幼くしたお団子頭の女の子です」 「ええっと……、覚えはないかなあ」 「一度、触れ合ってみてもらってもいいですか」 スピカは僕の方に向いて座り直すと、月明かりに顔を照らして、そっと目を閉じた。
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