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遠くに一定の距離を保って輝いている別のUFOが見えた。あれは紛れもなく僕の星の宇宙船だ。僕の身に何かあったらすぐに攻撃するぞと言わんばかりに赤く輝いている。
「エルグさん、あなたがどこの星の人がわかりました。私たちは地球を挟んで正反対の宇宙を支配している民のようです。残念ながら未だかつて交流がありません。もしよかったら……」
スピカが何かを言いかけたとき、僕は僕の星の宇宙船に吸い寄せられた。スピカとの距離が加速度的に離れていく。
僕たちはお互いの宇宙船に収容された。そして二つの宇宙船は弾け合うように宙を駆け抜けて、次の瞬きをしたときにはもう地球から何光年も離れていた。
「僕が普通の女子に興味を抱かなかったのは、僕自身が宇宙人だったからなのか。もう一度スピカに会いたい!」
僕は緊急脱出用の船に乗り込んで宇宙船から離脱した。そして自動航行の目的地を地球に設定し、空間の波を飛び越えていく。
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