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『初めまして、僕はエルグです』
お互いに八十センチくらいの距離を保ったまま、今宵は星が綺麗だの、髪型のお団子は宇宙からの電波をキャッチしやすいだのと、世間話のチャットをしばらく交わしていたが、スピカはいつまで経っても口から言葉を発しようとはしなかった。
「あの……、もしかして、しゃべれないんですか?」
スピカはスマホから視線を外して僕を見上げた。その顔はきょとんとしていて何を問われたのか良くわかっていない様だった。ひょっとしたら口がきけないのではなくて、耳が悪いのかもしれない。
「ええっ?日本語しゃべれたんですか!」
突然の清麗な声。
「えっ、ああ!日本語、ちょっと、だけ」
「以前知り合った宇宙人さんがチャットでしか会話ができない人でしたから、今回もてっきり……」
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