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「じ、実は僕は精神だけの生命体なんです」
「精神だけの生命体?」
「はい、この肉体は地球人のボランティアから借りてます。ははっ」
「……」
僕の心の中を透かし見るかのように、スピカは薄い目をしていたが、やがて、スピカの顔つきが柔和になった。
「それなら故郷の星がわからなくても頷けますね」
「ですです」
ほっ、よくわからないけれど、スピカの笑顔を見る限り、うまく納得してくれたらしい。
「知ってます?肉体はご飯を食べないと死んじゃうんですよ。エルグさんの体は今、お腹すいていませんか?私、宇宙料理を作ってきたので一緒に食べましょ」
「それはウレシイ!」
女子の手料理なんて、何度夢見たことだろう。
スピカは僕をベンチに誘って、弁当箱を広げて見せた。そこにはご飯やおかずはなんにもなくて、なにやら丸いものがたくさん詰め込んである。
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