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3.
わたしが両親を、というよりも母を疑い始めたのは、何も最近のことじゃない。
もうかれこれ5年くらい、心の奥底でずっと疑っている。
証拠なんて何もない。
ただ、わたしはあまり父に似ていないような、そんな気がする。
それだけ。
「みずほちゃんはお母さん似ね」
小さい頃からは、誰からもよくそう言われた。
そして人からそれを聞いた日、決まって母はこう言った。
「あたし似なんだから、あんたモテるわよ。将来楽しみね」
母は昔、キャバクラで働いていた。
派手好きで、遊び好きで、贅沢好き。
似ていると言われても、少しも嬉しいとは思えない。
キャバクラを辞めたきっかけは父との結婚だ。
結婚の決め手は妊娠。
お腹の中の子どもが、わたし。
あの頃は彼氏もいっぱいいた、と自慢するのが昔から母の癖だが、わたしはそれを聞くのがとても嫌だった。
だらしがないとしか思えない。
そして、ある時気付いてしまった。
たくさんいた彼氏の中の誰かが、わたしの本当のお父さんだとしてもおかしくはない、ということに。
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