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狭く暗い道をいくつも潜り、ようやく少し開けた場所へ出た。 思わずふう、とひと息吐く。 教えてもらった住所はいかにも、といった場所だった。 繁華街の路地裏、看板なし、狭い入り口。 入り口の扉を開けると、地下へと続く長い階段。 陰気で、明らかに怪しい。 ……こういうところで、麻薬の密売とか、人身売買とかが行われているんじゃないだろうか。 ドラマやアニメの知識だけど、リアルはフィクションの先生だ。 突如湧き上がった不安に俄然引き返したくなった。 でも、せっかくここまできたんだから。 わたしは勇気を振り絞り、階段に足をかけた。
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