雅弘さん

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新しい人生のスタートを高校生活で! と、意気込んだはいいんだけど… 残念な事に、せっかくの新しい環境なのに友達を作る術がよく分からずに既に6月も終わりを告げようとしているのだ。 とにかく中学時代は目立たないようにしていたし、ヤンキー兄のいるオレと友達になろうなんて物好きはいなかった。 友達ってどう作るの? 知らない人に声を掛けるって…めちゃハードル高くない? だから今のとこ、前の席のヤツとつるんでます。 あ、もちろん声は向こうから掛けてくれたんだけどね。 趣味読書なその友人とは放課後の図書室デートは当たり前。ゲームもお互い好きで特にそこはオレには高ポイント要素だ。 要するにザ・インドア!最高な彼です。 そんな読書好きな友人を思い出しながら朝の支度をしていたら 「あ、そうだった…本。」 すっかり本を借りっぱなしだったことを思い出し、つい独り言。 ふんふん~… 思い出せたなんて奇跡だ。と自分を誉めつつ鼻歌まじりに本を取りに、部屋へ戻ろうとしたその時…
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