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いつも遅刻してる兄がオレより早く登校するなんて…って思ったら「今朝は体育祭の練習なんだって。」と母が言っていた。
ヤンキーが体育祭ノリノリって…ちょっと笑えない?
しかも、ノリノリ過ぎて体操服しか持っていかないってのも、どうよ?
それに、そのおかげで息子が遅刻するかもしれないのに容赦なくお願いしてくる母も。
それを断れないオレは……もっとバカだけど。
面と向かって文句を言えないオレは、
晩ごはんの唐揚げを兄より多く食べてやる!と小さな反抗を企てた。
ちょうどやって来たいつもとは違うバスに飛び乗った。
空いた席に座り、ホッと一息。
…あ、友達に返す本忘れちゃったじゃないか。
梅雨の晴れ間…でも少しだけ湿気を帯びた風が、バスの窓からオレの頬を撫でてきた。
「さっさと終わらせて、さっさと登校しよう。」
独り言をその窓へと吐き出して窓を閉めた。
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