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「この電話で――詳しいとこまで話をさせる気か?」
言われて
はたと思い出す。
『だってお兄様は――あなたに弱みを握られてる』
天宮和樹が言った事。
あの日僕が見てしまった
事の重大さを――。
「いや、そんなつもりは……」
「とにかく明日の夜、迎えの車をやるから」
いつも通り一方的に
かつ高圧的に
「家に来い。話はそれからだ」
天宮征司はのたまった。
そして――。
「あ、ちょっ……」
もちろん
僕の答えなど聞く間もなく
電話はプツリと切れてしまった。
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