第8章

4/22
前へ
/22ページ
次へ
翌日――。 借り住まいのマンションの前に鎮座した どう見ても場違いなリムジン。 通行人が怪訝そうに眺めつつ行きかう中。 「なあ、あれがおまえの新しい友達か?」 「ん、まあね」 「へえ~」 呆気にとられる従兄弟を尻目に 「それじゃ行ってきます」 「ああ。羽目外すなよ」 「分かってるって」 僕はマンションのフロントをくぐった。 後は――。 どうしたものかと思う間もなく 車から颯爽と運転手が降りてきて。 「さ、こちらへ」 「どうも……」 僕の為に後部座席の扉を開けてくれる。 と――。 ぎこちない姿勢で 乗り込んだリムジンの中にいたのは――。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

80人が本棚に入れています
本棚に追加