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制服を脱いだ彼は
襟の高い貴族的なモスリンのシャツを着て。
「そんな顔なさならいで」
「そんな顔って……?」
「きょとんとして。ご自分だけ何もご存知ないみたいなお顔」
一際中性的で
妖しい雰囲気を醸していた。
「ねえ、言ったと思うけど僕は……」
思わず見惚れていた僕は
やっと我に返って
「あの日のことで天宮くんにつけ入ろうなんて……本当にこれっぽっちも思ってないんだ」
言った。
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