第8章

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制服を脱いだ彼は 襟の高い貴族的なモスリンのシャツを着て。 「そんな顔なさならいで」 「そんな顔って……?」 「きょとんとして。ご自分だけ何もご存知ないみたいなお顔」 一際中性的で 妖しい雰囲気を醸していた。 「ねえ、言ったと思うけど僕は……」 思わず見惚れていた僕は やっと我に返って 「あの日のことで天宮くんにつけ入ろうなんて……本当にこれっぽっちも思ってないんだ」 言った。
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