人生の転機

8/8
前へ
/57ページ
次へ
それからは、分かり易すぎるくらいにリョウを目で追っている自分がいた。 本人には一切気付かれないのに、気付かれたくない奴にはバレバレなわけで。 ちょいちょい須賀と西野に、主に西野にからかわれるようになった。 普段はこいつらの察しの良いところが一緒にいて楽だと思うが、こうなってくると話は別だ。 まあ、そこまでしつこく絡んでくる奴らでもないので、からかわれるのもほんの少しで。 慣れればそれほど気にならなくなり、 ただただリョウのことだけがバカみたいに気になる日々が続いた。 そんな俺の片思いは季節が巡ってもしつこく継続し、気付いたら春になっていた。 俺たちも入社2年目となり、周りに甘えてばかりいられなくなるなと思っていた矢先に、 最悪の出来事が起きたのだ。
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

388人が本棚に入れています
本棚に追加