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「なあ、おまえさ。
いつ、どのタイミングでリョウのこと好きって自覚したわけ?」
何の脈絡もなく、目の前の須賀がビールジョッキ片手にやけに真面目な顔して俺に尋ねる。
リョウと西野と4人で飲んでる時に、俺の好意をニヤついた顔で遠回しに冷やかしてくることはあったが、このパターンは初めてだ。
「なんだよ、急に。」
「まあ、今後の人生の参考にしようかなと。」
「はあ?嘘つけよ。……あっ。」
あー、なるほど。参考に…ねえ?
「まあ頑張ろうぜ、お互いに。須賀くん。」
多分、今の俺はいつもの須賀みたいなニヤついた顔してるな。
「俺、おまえのそういう察しが良すぎるところ、嫌い。」
須賀は頭を抱えてそう言うが、
「その言葉そっくりそのまま返すわ。」
それはこっちの台詞だっつーの。
「で、いつなんだよ。意識し始めたの。」
「教えるわけないだろ。つうか、忘れた。」
「なんだよ。俺、墓穴掘っただけじゃねーか。」
「知るかよ。」
須賀に言う気はさらさら無いが、リョウを意識し始めたタイミングは今でもハッキリ覚えてる。
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