求めていた温もり

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山崎を帰した後、気合いを入れ直して再び仕事に取り掛かろうとしたが、 周りから「おまえ体調悪いんだろ。もう帰れ」と言われ、 挙げ句の果てに上司から「顔色やばいぞ。帰れ。上司命令」とまで言われてしまい、 渋々あがることにした。 無人のエレベーターに乗り込み、1階に着くまでの間、目を閉じて考える。 残業していくよりも、帰って少し寝てから、持ち帰った仕事をこなす方が多分作業効率がいい。 そんな判断も出来ないくらいに、俺は調子悪かったのか。バカかよ。 自分自身を嘲笑っているうちに、エレベーターが目的階に到着した。 玄関口へ向かうと、見慣れた人間が、見慣れない組み合わせで何か立ち話をしていた。 山崎と、リョウ………? 「なに、その組み合わせ。」
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