僕の幸せ

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リビングに入ると、テーブルの上に箸やらお皿やらを並べている息子と目が合った。 「パパ、遅い!!」 「ごめんごめん」 ぷーっと膨れっ面をしている息子の頭を撫でて、バックやらを部屋に置きに行く。 ネクタイも上着も放り出して、家着を着た。 「パパにおかえりなさいって言ったの?」 「あ……」 リビングからそんな声が聞こえたあと、息子が走ってきた。 「パパ、おかえり!ごはん!!」 「ただいま、うん、ちょっと待って」 足にしがみついて喚く息子をなだめながら、スーツをハンガーにかける。 それをみた息子は、今度は僕の腕を引いてリビングへと急がせる。 ばたばたとリビングに戻ると、湯気のでたご飯が並んでいた。 息子に椅子に座らされ、彼女はそれをにこにこして見ていた。 「いただきます」 皆で手を合わせて言い、さっそくとばかりに息子がぱくりと一口。 「おいしい!」 「あはは、ありがとう」 とられる前に、と言わんばかりに口の中に収めていく息子。 その様子を微笑んで見ている彼女。 僕は、噛めば噛むほど、じんわりと温もりと優しさが広がっていく気がした。
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