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震える私を、彼女は不思議そうに見つめる。
その目には不安と迷いが感じられた。
何故だ…あの男から助け出し、匿っている私に何故そんな目を向けるのだ。
いつもあの場所で私に助けを求めるように視線を送っていたのは君だぞ?
それが何故…
そう思うと何だか妙に腹立たしい気分になった。
やはり私は女をよく理解していないらしい。
もっと喜んでくれるものだと、一人勝手に舞い上がっていただけなのだ。
彼女にしてみれば、私もあの男も変わらない。
自分を閉じ込めておく、恐怖の対象でしかないのだろう。
私は自分の服にドライヤーの熱風をあて、帰り支度を始めた。
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