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そこからの事は記憶が曖昧である。
本能に身を任せ、ただただ互いを求めあう男と女。
管理職、妻帯者、ホステス…
全ての肩書きを脱ぎ去り、何も背負わない男と女。
意識はとろけるように混ざり合い、二人は一つになったかのように感じていた。
私にとって、それは初めての事だった。
彼女の腕が、足が、身体全てが絡み付いて離れない。
高揚感はやがて絶頂へと変わり、私はその温もりの中で果てた。
呼吸はいつまで経っても落ち着く事はなく、それは彼女も同様だった。
静かに見つめあう時間が、これ程までに愛しいものだとは知らなかった。
どちらからともなく唇を重ねると、私達はまた激しく求めあった。
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