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泣いている美波に背を向けて、礼音は言った。
「その彼氏はお前があの時、俺を裏切って選んだ男のことだろ。暴力受けてるからって裏切った俺に助けを求めるんじゃねぇよ｣
礼音は裏切った美波が許せなかった。
でも、それと比例するように美波のことを愛していた。
だからこそ、今付き合っている男と幸せになって欲しかったのだ。
「もう・・俺に関わんなよ｣
礼音の消え入るような声は美波の耳に微かに届いた。
「礼音・・・私、あなたのこと好きだよ。だから・・もういちど私を見て｣
美波は後ろから礼音に抱き着いた。
礼音はそんな美波をそっと自分の体から離した。
「もう俺たちは元に戻れないんだよ｣
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