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ー次の日。
予定通り新入生テストが実施された。
「明日香。どうだった?」
「まぁまぁってところかしら」
明日香は今日香に生返事しながら、目線は礼音を見ていた。
礼音は優太と親しげに話している。
昨日の辛そうな表情はなかった。
「やっぱ、明日香変」
「え?」
礼音を見つめる明日香の視線に気づいたのか、今日香は眉根を寄せて言った。
「昨日からずっと上の空って感じ。まだ話してないことあるでしょ、昨日のことで」
「いや、あの・・・」
言えるわけがない。
礼音と美波の昔のことを。
礼音が美波のことをまだ好きだということを、昨日の彼の表情を見て思い知らされる。
思い出す度に針が刺さったみたいに胸が痛む。
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