現れた女

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ー放課後。 「あの子可愛い」 「誰かの彼女かな?」 「くっそー。もうちょっと早く会ってれば俺がナンパしたのになぁ」 「お前、鏡見てこいよ」 口々に生徒たちが言う言葉に、礼音はまさかと思った。 校門に行くと、大勢の生徒たちが騒いでいた。 その間から見えたのは・・・ 「美波・・・」 礼音の姿を見つけ、嬉しそうに手をふる美波の姿だった。 「やっぱりこの学校だったのね。昨日の制服を見てここじゃないかと思って」 「な、何でお前がここに・・?」 「私、やっぱりあなたのこと諦められないの。ねぇ、もう1度やり直せないかな?」 「何だよぉ、礼音の彼女かよー」 「そりゃあ勝ち目ねぇよなぁ」 「っ・・・場所を変えよう」 礼音は周りの空気に耐えかねて、美波を連れて近くの公園へ向かった。 その様子を明日香が見ていたことを、もちろん知らずに。
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