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「何、どうしたの? 昨日なんかあった?」
こんな最低な自分を心配する今日香に、明日香はいたたまれない気持ちになった。
「ごめんなさい。少し、トイレに行ってくる」
トイレというのは嘘だが、どうしてもあの場から逃げ出したくなった。
こんなにも自分が崩れるなら、恋愛なんてしなければ良かった。
自分が自分でなくなっていくみたいで、明日香は怖かった。
「明日香ちゃん、どうしたの?」
同じ教室で男子と話しながら2人の様子を見ていた優太が、今日香の所に来て聞いた。
「分かんない。でも、何かあったのは確かだと思う」
「明日香ちゃんがあそこまで感情的になるのは珍しいもんね」
「うん」
今日香は明日香を追いかけたかったけど、足が動かず追いかけることが出来なかった。
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