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「永瀬。何をニヤけた顔をしている…。キモいよ、お前。」
毒舌編集長。
「失礼ですね。編集長。」
「それで、どうなんだ?」
「はい。色々と調べてみました。ひとつ、怪しい洋館を見つけましたよ。」
「うわっ。嫌だね、永瀬。お前の、その“見つけましたよ”っての。やな感じしかしないね。」
「何を言っているんですか。ったく。編集長、これから先生と斉藤くんに話すんですよ。やな感じとか、言わないで下さいよ。」
「ぶはっ、わかってるよ。」
「編集長。もしかしたら、物凄く危険かも知れません。」
編集長は真顔になって、僕を真っ直ぐに見る。
「永瀬。乗り掛かった船だ。それに、これは斉藤くんの記憶喪失の原因がわかる可能性も含んでいるしな。
本来なら、廃寺の特集の時に終わったはずの菊野様の話が、まさかまた絡んでくるなんて…偶然で片付けるには少し無理がある気がするんだよ。
もしかしたら、何かすべき事があるのでは…と漠然とだが考えるようになったんだ。
どう思う?永瀬。」
やはり、この人はただ者ではないと思った。流石です。編集長。
「はい。僕も偶然で片付けるには少し無理があると思います。なぜ、僕達なのかは、わかりませんが、編集長の言う通り、僕達に何かすべき事があるのではという考えは否定出来ません。」
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