人形の館

第1章

永瀬君！先生が怒って僕を呼ぶ。こんなやり取りも割りと気に入っているんだ。

「松田、斉藤くん、ちょっと聞いて欲しいんだが。」

編集長がそう言うと、先生は眉間にシワを寄せた。防衛本能発動といったところだろうか。敏感に感じとる先生は斉藤くんの腕を引っ張って、警戒してと言っている。

「おいおい…。松田…頼むから話す前にその顔はやめてくれ。」

「編集長。何を話すつもりですか？怖いやつは嫌ですからね。嫌な感じしかしないんだけど。」

そう言いながら先生は僕の方を見る。うわぁ…大丈夫かな…かなり疑ってるようだ。斉藤くんも不安な顔をしている。何とか空気を変えないと…。