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僕は、時々、昼間の街中を彼女と二人で歩いている。そんな感覚に陥る。
昼間の街中を、二人で仲良く笑いながら堂々と歩く。
そんなこと、できるはずがないのに、どうしてかそうしている僕たちがいるような気がしていた。
……まあ、それは全部ただの夢なのか、願望なのか、幻覚なのか。よく分からない。
だけど、出来ることなら一度……たったの一度だけでも、彼女と、堂々と笑いながら昼間の街でデートをしてみたかったと思う。
苦しくて、切なくて、悲しくて、
言葉にならない程の大きく特別な感情。
その感情に名前をつけるとするのなら
恋か、愛か、気まぐれか。
いや、どれも当てはまらない。
ただ〝運命〟という言葉だけでは片付けられない。それほどに、大きく特別な感情。
だけど、もう、その感情に名前は必要ないか。
「さようなら」
もう、この先、僕が彼女に出会うことは二度とないだろう────。
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