Forever

1/1
前へ
/1ページ
次へ

Forever

君が目に 涙をいっぱいにためて 僕に聞く おやすみ、を言ったあとに 「どこかに行ったりしない?」 僕は穏やかに微笑んで どこにも行かないよと 囁く 僕には分かっていた 僕は知っていた 人は人を やがて失ってしまうもの その涙に 果てなどないこと だから 心から言うことができた もう一度 「どこにも行かないから」 それは誰より僕自身が 君の口からも 聞きたい言葉だったから せめて僕から この言葉を贈りたかったんだよ それを聞いた君の 「おやすみ」は 最初のおやすみとは見違えるほど 安心感に満ちた 僕の涙を誘うには充分な 安堵が込められていた 君を癒して 癒されているのは、僕だ
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加