1stステージ  文学青年

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「お願いします。1人でいたら、ぼくの精神の中にある、深い暗闇の森へ、ぼくは肉体から切り離されて落ちてしまいそうなんだ」 ??????????? は? どういう意味なのだろう。要するに、精神的に参ってしまう、ということだろうか。 それならそれでそう言ってもらえれば簡単なのに。 わざわざ難しい表現を使って言葉を長くする意味が私にはもうわからない。 ちょっと神経質そうだけれど、黙っていれば、まずまずイケメンの部類だろう。 だが、「暗闇の森」へ、肉体から切り離された「ぼく」が、「落ちる」という、詩的なのか何なのかさえ、国語の成績があまりよくなかった私には理解し難い表現方法を、いまこの場でされても、私の脳はそれを理解できるスペックを持ち合わせてはいないのだ。 だから、私にはこの文学青年をきょとんとした目で見ることしかできなかった。 みっちゃんはこの人とよく付き合っていられたなと、みっちゃんの守備範囲の広さにただただ感服するばかりだった。
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