プロローグ

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どうすんのよ、あんた。 鉢合わせとか、しないの? 誰とも本気になれないなら、無理して誰かと付き合うことないんじゃないの? 矢継ぎ早にした私の質問を、みっちゃんはサラリと受け流し、 「いや~、誰かとそのうち本気になるって可能性もあるんだしさ~」 と、カラカラと笑ったものだ。 確かに、みっちゃんは美人である。 だからといって、4人同時に付き合うという芸当の道に突入するなんて、正気の沙汰とは思えなかった。 「だって、せっかく告白してくれたんだし、断るのが悪くて」 「もしかしてあんた、告白されたら全員と付き合うの?」 「うーん、あんまり断らないかな~」 「最高何人いた?」 「あ、でも5人が限度だよ。それ以上はさすがに疲れるもん」 憎らしいを通り越して、ここまでくるとある意味、あっぱれだった。 「いやね、私も人のことだから、べつにどうだっていいのよ、本当は」 とは言うものの、そのうちの1人をこっちに回してくれたって…という下心がまったくなかったわけではない。 だって、みっちゃんの彼氏は全員、イケメンなんですもの~。 もうこの際、みっちゃんのお古でもいい、なんて思った私はよほど男に飢えていたのだろう。悲しいことに。
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