プロローグ

4/4
前へ
/165ページ
次へ
みっちゃんは悪びれもせず持論をぶちまける。 「あのね、タイプが違うの、全員。俊太(しゅんた)くんは文学青年、晴樹(はるき)くんは体育会系、英樹(ひでき)くんは理系男子、玲央(レオ)くんは料理人志望で家事も得意。みんなまったくタイプが違うし、足して4で割ったみたいな人って、いないんだもん」 …そりゃ、そうだ。そんな都合のよい100%あんたの希望に沿える男子なんかいるわけがない。 「いまさ、俊太くん、晴樹くん、英樹くん、玲央くんの順番で言ったよ。みっちゃんの好きな順に言ったの?」 と、試しに訊いてみたら、 「違うよ。公平を期して五十音順で言っただけ」 さらりと受け流された。 「あ、そ」 呆れて口があんぐりしてしまう私だ。 そのみっちゃんが、急に会社を辞めた。 最近知り合ったばかりのフランス人男性と瞬く間に恋に落ち、彼とともにフランスに飛び立ったのはつい3日前のこと。 その後、みっちゃんが振った「文学青年」「体育会系」「理系男子」「女子力高得点男子」の4人すべてが私に関わってくるなんて、思いもよらないことだった。 美味しい思いをした? いいえいいえ。迷惑を被ったのです、4人のイケメンから。
/165ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加