【Jule.】

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  そうして見た兄の最期は 呆気なく夢の彼方へ消えた 其れが真実か ただの幻想か 誰にも確かめる事は出来ない 暗く澱んだ空の下では 己の視界も曇るばかりで 戦火に身を置く立場なら 訪れる死を振り返る事など 立ち止まる事など 「……兄上……」 許されぬ筈――――… (何故こんな日に限って非番なのだ)  
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