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チッ、チッ、チッ…
「……。」
静寂に身を沈めると、途端に此の音が耳に障る。
首筋に下がる二本の鎖……
其れは今も彼を縛り付けている。
(早く……見付けなければ。)
其れは時間(とき)が進むにつれ
遠ざかっていく、【過去】そのもの。
チッ、チッ、チッ…
(僕が…僕で居られる内に)
彼は感じていた。
最近訪れる【気配】―――…
其れが一体何なのか。
そして、関われば今在る平和を脅かす事になるであろう事も。
(フランシス…いや、)
(……アジュール。君は……)
チッ、チッ、チッ…
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