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「あや……?なんでないてるの?」
「こうすけっ……ひっく……しんじゃっ……かとっ……おもっ……」
それを聞いて、俺は思い出した。クマに襲われたんだということを。
「うわぁぁぁん!こわいよー!」
「ぐすっ……もう……だいじょーぶ……だよ?」
「……ほんと?」
「うん」
あの時何があったのか、今になってもまったく思い出せない。しかしあの時俺の他には確かに斑しかいなかった。ということは、斑がクマを撃退した、としか考えられない。
しかし、それも謎である。
あの時俺たちは5歳ぐらいだったはずだ。とすると、斑がクマを相手にできるはずがないのだ。
俺は、あの瞬間辺りを包んだ白い光が気にかかっていた。
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