#1 幼馴染と隠しごと

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その時のことは、今まで何度も斑に聞いた。 でもその度に、斑は話をはぐらかしてきた。 いつしか俺も、そのことについてあまり詮索しなくなった。 季節は流れ、6月某日。 それはとても蒸し暑い日だった。 俺は斑の家に来ていた。 斑の家は神社である。 あれ?ということは……? そう、お察しの通り、斑は“巫女さん”なのだ。 『狭霧神社』の境内には、樹齢1000年を超える太い御神木がある。斑が言うに、その御神木には神が宿っているらしい。 まあ俺はそんな話信じちゃいないが。 俺と斑は、その木陰で休んでいた。蝉がやかましく鳴いている。
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