-3-

10/32
前へ
/32ページ
次へ
「で、なに?」 『え?』 「用事、あったんじゃないの」 『あ、……うん……あの』  俺の声が不機嫌になったことに気付いたのか、亜優が委縮したようにしどろもどろになる。 『どした、亜優。早く聞いてみろって、拓己に』  すぐ傍で俊輔の声がして、続いてゴソゴソと受話器がこすれるような音。  何やら小声でのやり取りの後、『もしもし』と俊輔が電話口に出た。 『わりいわりい。あのさ、拓己。いきなりだけど、明日ヒマ?』 「え」  本当にいきなりの問いかけに、咄嗟に言葉に詰まる。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

167人が本棚に入れています
本棚に追加