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翌日の朝。
坂の下で先に待っていた亜優は、何かがいつもと違うように見えた。近づいてみても、それがなぜなのか分からない。
「おはよう」
「おはよ」
明け方の冷え込んだ空気がまだ残っているらしく、亜優の吐く息は微かに白かった。
「悪い。待たせた?」
「ううん、今来たとこ」
俺はまじまじと亜優の顔を見つめた。
やっぱり、どこか雰囲気が違う気がする。
……何だろう。
自分に向けられた視線に気づき、亜優が恥ずかしそうに目を伏せた。
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